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第63回日本透析医学会学術集会・総会

第63回日本透析医学会学術集会・総会に出席しました。

医師中心の学会かと思いきや、看護師や臨床工学技士らしき人もたくさんいました。学会発表も看護師が行っていたり、看護連携やチーム医療など、看護師が主な対象となっているシンポジウムやワークショップもありました。

 

個人的に気になったのは、鉄含有リン吸着剤 クエン酸第二鉄水和物(商品名:リオナ)です。

フェリチン低値(50ng/ml)ならば、投与するのは推奨するという形でしたが、フェリチン50~300ng/mlならばどうするのか、、、ここに関してはまだまだ先生方によって考えは異なるようです。経口(静注に比べて鉄過剰のリスクは低い)とはいえども鉄剤も意識して入れているものであり、必要最小限に抑えるべきとする考えと、透析による血液の損失を考えると積極的に経口鉄剤を利用した方が良いという考えがありました。

リオナの販売が2014年5月ですから4年はたっていますが、透析年数が延びていることやアルミニウム製剤のリン吸着剤のことを考えると、結論はもう少しかかるのかもしれません。

いずれにしてもリンは適正値でコントロールが必要であり、透析患者の高齢化もあり、リンは食事をキチンと摂った上で、血清リン値はリン吸着剤でコントロールしていく方向となってきています。低栄養はフレイルや生命予後に影響するからです。蛋白制限をしてリンを下げると死亡リスクが上昇するとの報告もあります。学会でもフレイルやサルコペニア、低栄養に関する演題が散見されました。

なお、リン吸着剤は基本的に使用量は増加する傾向にあるということでした。リンの値が適正値になると、患者はついつい食事が増える傾向にあるからだそうです。ヒトの欲望ってすごいものです。

 

患者のリンの値やリン吸着剤の処方を見て、適切な患者への指導ができるようにしていきたいものです。

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